創立100周年記念事業 継続企画 :北村さゆりさん(画家)によるOB講演開催

 昨年度、本校は創立100周年を迎え、記念式典での講演を含め、年間を通して5回のOB講演を実施しました。これは、同窓会の「在校生に国内外で活躍する卒業生の話を聞き、視野を広げ、世界で羽ばたいてほしい」という願いのもとに企画されたものです。その思いを受け、今年度以降も同窓会の支援を受け、5年間にわたり継続して年1回のOB講演を開催していくことになりました。

 本年度の講演者として、11月5日(水)に画家としてご活躍中の北村さゆりさんを講師にお迎えし、講演を行いました。演題は「―あこがれの高校生活?― 私の抱いた夢が信頼を得るまで」。感染症予防のため、講演はリモート形式で実施され、終了後には図書館にて座談会も開かれました。

 講演では、北村さんの作品紹介に始まり、美大進学を目指した努力の日々、人生のターニングポイント、本の装丁ができあがるまでの過程、西洋画と日本画の違いなど、日常ではなかなか触れることのできない文化的な話題を、飾らず気さくに語ってくださいました。

 「ただ好きでやっていただけ。」「自分の人生は自分で決めます。」
 「高校時代に感じたことは今でも自分の中に残っていて、その頃の友人や師が卒業後も自分を支えてくれていた。」
――そんな北村さんの言葉の一つひとつに、聴いていた生徒たちは勇気づけられたようでした。

 なお、北村さんの絵は旧校舎の階段にも飾られていましたので、卒業生の皆さんには懐かしく感じられることでしょう。

 今回の講演を通して、生徒たちは「好きなことを続けること」「自分を信じること」の大切さを改めて感じることができました。心に響くお話をしてくださった北村さゆりさん、そしてこの貴重な機会を企画・支援してくださった同窓会の皆さまに、心より感謝申し上げます。

【北村さゆりさんプロフィール】1960年静岡県生まれ。日本画家。多摩美術大学大学院美術研究科修了。平成13年度文化庁新進芸術家国内研修員。平成15年度静岡県文化奨励賞受賞。著書に『中世ふしぎ絵巻』『続 中世ふしぎ絵巻』(文:西山克、画:北村さゆり)。36歳の時、装幀家・菊地信義氏に見出され、以降、宮部みゆき著『三鬼』(芦澤泰偉装幀)、山本兼一著『利休にたずねよ』(芦澤泰偉装幀)など多数の表紙画を担当。近著に『今村翔吾 朝日新聞連載小説「人よ、花よ、」北村さゆり全画集』(今村翔吾事務所刊)。