期末テスト3日目の7月10日(木)午後に、生成AIの教育活用などに関する教員研修が実施され、他校からの教員も含めて約40名の教員が参加しました。今回は、金沢工業大学の平本督太郎教授に講師をお願いしました。平本先生は大学における学生の生成AI活用などに関する研究に取り組んでおられ、生成AIを活用することで生徒のどのような能力が身につくのかについて詳細なお話をしていただきました。なお、今回の研修はDXハイスクール事業の一環として実施されました。


研修は2部に分かれて行われました。第1部は教育における生成AI活用の意義に関するものです。近年、生成AIの進化は教育の現場にも大きな変革をもたらしていますが、OECD(経済協力開発機構)もAI技術の教育活用について積極的に議論を進めており、各国の政策形成に影響を与えています。特に注目されているのは、学習者一人ひとりの理解度や関心に応じて学びを調整する個別最適化学習の実現です。生成AIは、生徒の回答や学習履歴をもとに適切な課題やフィードバックを提示することで、より効果的な学習支援を可能にします。さらに、AIを活用することで、これまでになかった新しい学習スタイルや教材が生まれ、教育現場において新たな価値を創造することが期待されています。
参考リンク:OECD Education 2030プロジェクトについて
後半の第2部は、実際に各教員が一人一台のChromebook等の端末を用いた実習が行われました。ESD(持続可能な開発のための教育)の推進において、教員には単なる知識の伝達者ではなく、学習者の主体的な学びを支えるファシリテーターとしての役割が求められています。特に探究学習では、生徒が自ら課題を発見し、深い学びにつなげるための問を立てる力を育てる支援が重要です。教員自身も、問いを引き出す対話力や観察力を磨く必要があります。また、生成AIなどの新しい技術を柔軟に活用し、情報収集や視点の多様化を支援する力も求められます。さらに、学びの中で生まれる他者とのコミュニケーションを豊かにし、対話を通して価値を共創する力が、教員にとって不可欠な資質となっています。
参考リンク:持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)


コロナ禍以後、教育現場にも一気に情報化の波が押し寄せ、生徒の一人一台端末の導入や教育のオンライン化が進んだと思いきや、またすぐに生成AIの教育活用という次の波がやってきています。教師がこれを適切に用い、かつ生徒が有効に使えるように指導していくような、次世代の教師に必要な能力を身につけるために大変有意義な研修でした。改めて、金沢工業大学様及び平本教授に感謝申し上げます。